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座談会 第一回 皆さんの職種は?


大西
今日は皆さんよろしくお願いします。
はじめに今のお仕事内容を教えていただけますか?

設計事務所をやっています。
新築ではなく既存の建物の診断や改修などをやっている設計事務所です。

鹿嶋
建設会社に勤務して不動産の営業をやっております。
建築の現場と不動産の仲介両方にたずさわっています。個人向けです。

市川
私は建築材料のメーカーの営業です。
製品用途としては、新築の木造戸建てがメインで、リフォーム用途は割と少ないものになります。

内山
設計事務所でリフォームや耐震診断・改修をやっています。

田中
私は不動産仲介でB(Business:法人向け)とC(Consumer:個人消費者向け)両方やっています。
割合としてはBのほうが多い。あと戸建て分譲もやっています。

大西
エリアは?

田中
Bの世界は売りが減っています。
既に財務スリム化の流れの中で不要不急の不動産を売ってしまった先も多いですし、最近は企業も赤字を出して当たり前の景況感なので、無理に決算対策しなくてもいいんですね。
どちらかというと個人の相続対策などが調子いいです。

大西
菅さんは改修が中心とおっしゃっていましたが、マンションですか?

そうですね。
一棟が主ですが、一住戸でもご相談をお受けしたことはあります。
ホームインスペクションに近いところでいうと、リノベーションなどで価値をあげていくというようなご相談にもおこたえしています。

たとえば相続の関係で物件をもっている方からご相談を受けたりするんですけど、そういう人ってあまり神経を使わないというか、僕らに言わせるともったいないというか。
ちょっとしたことでこんなに変わるんだよということを技術的、税金対策的なアドバイスを包括的に、広くやれる体制でやっています。

ホームインスペクションに興味を持ったきっかけは?


大西
皆さんそのものズバリ、ホームインスペクションをお仕事にされている方はいらっしゃらない訳ですが、ではその中でなぜホームインスペクションにご興味をもたれたのかを教えていただけますか?

田中

僕はもともと信託銀行にいて、不動産の証券化や大手不動産会社・不動産ファンドなどとの取引をやっていたのですがBの世界では当たり前のように物件のデューデリジェンス(※土地建物の状況・権利関係の事前調査。結果は契約内容や価格に反映される)があるんですね。

で、Bで行われていることはいずれCでも行われるようになるというのがセオリーなので、一般のユーザーにもそれが浸透してくるだろうという思いがありました。いろいろ情報収集をしているときに、たまたま新聞でホームインスペクターの資格試験が行われることを知り、すぐ受けよう!と。


大西
本来は個人の住宅購入でもデューデリのような情報開示制度があるべきなのですがまだまだ浸透していない、個人の方が高額な買い物をされるのにそういった状況はちょっと怖いですよね。

田中

そうですね。

ただそれは時間の問題というか。同じようなことを考えている人は増えています。信託銀行時代の同僚もとても興味を持って協会のホームページを見ていて、部下に受験させるとかっていう話になっているので。また仲介の世界ではだれかがやりはじめれば「オレもやらなきゃ」という風になりますし。


大西
銀行の方がその住宅にどれだけ融資ができるか、判断するところに建物の状態がリンクしていかないといけないのですが今はそうはなっていないですね。

田中
公的な基準があれば仕組みとしてファイナンスの審査に使えると思うのですが、今のところないのでやむを得ず、建物のコンディションは無視して税法上の耐用年数や取引事例、と本人の支払い余力だけで判断していますね。

大西

銀行の方の中にも、個人の世界でもデューデリが必要だという認識を持っていらっしゃる方がいるとお聞きして希望が持てますね。ぜひ広めていただきたいです。

内山さんはいかがですか?


内山
僕はもともと耐震診断・改修などをやっていて、いろいろ助成金や相談会など公的なプッシュもあるのですがもう少し別の切り口も必要だと漠然と思っていて興味を持ったという感じです。

大西
ご自身の新しいビジネスチャンスとして?

内山
ホームインスペクションを切り口にして、耐震診断・改修についてもより関心を持っていただければ。

大西
個人の方が直接内山さんに依頼をされるのですか?

内山

実際はほとんどが地元の商工会さん、事務所協会・もといた会社の知り合いなどからの紹介ですね。

耐震系は主に高齢者、インスペクションは若い方とターゲットが違うので、今後はホームページからきてもらえるようにするなど入り方は工夫していかないといけないかなと思っています。


大西

一次取得者層の感じをみていると、これから多額のローンを組むので住宅の状態にすごく関心が、当然耐震性もふくめて関心があり、買う前に調べて、なんらか対処が必要でもそれが自分の手に負えるものであればちゃんとやって住みたいという方も多いです。

ただ、インスペクションに入る時はあくまでも第三者性が大切で、後ろ(耐震診断・改修)までセットになっていますという見せ方ではない方がいいということもありますね。


市川

私の場合、今の業務とホームインスペクションはほとんど関係がないのですが、
営業で工務店さんを訪問する際、自社の商品の説明だけではなく、住宅業界全体の話をすることが多いんです。

私自身、知見を広げ、情報交換を行うひとつのツールとして、話題のホームインスペクションに興味を持ちました。せっかく日本各地の工務店さんにお邪魔してお時間を頂くわけですから、業界の最新情報やホットな話題についても情報提供・交換していきたいという想いもあって。

座談会の模様

大西

工務店さんへの情報提供というのはとても意義がありますね。新築の業界はこれからシュリンク市場じゃないですか。危機感をもっていらっしゃいますよね。


市川

それはすごく持っています。

たとえば工務店の数も確認申請受理ベースで平成17年には約80,000社あったのが平成20年には約66,000社にまで落ち込んでいます。

また、新築をやめてリフォームにシフトしている工務店も多くなっていると感じます。


大西

新築からストック市場に軸足をどうずらすか、という中でまず多いのはリフォームなんですが、それだけでなく一度建てた方とどうやって長くお付き合いしていくか、どうやってその方のライフスタイルに入り込んでいくかという視点が大事になってきますね。

鹿嶋さんはいかがですか?


鹿嶋

自分は建設業界で現場監督をやってきたのですが、去年はじめて不動産仲介という経験のない世界に飛び込み、不動産取引の状況が見えてきました。

取り扱っているエリア、主に鎌倉周辺なんですが、非常に特殊で、売り物は中古の方が多いのだがグロスが張り価格が高くなりすぎて手を出せない人が多い。住民協定が多いため土地を分筆して売ることもできず、売りたい人はいるが買える人がいないと。

結果的に町並みはきれいだが過疎化が進み、一方、山を削って開発する新築にも限界がきていて、とにかくなんとかして中古市場を動かすしかないという状況だったんです。

そんなときにたまたまワールドビジネスサテライトの特集で取り上げられたのをみて、「こんな仕事もあるんだ」と。市場の状況と、業務の内容が一致したので、その世界を知ってみたいと思ったんです。


大西
ほんとうはその住民協定が町の価値を守るはずなんですけどね。

鹿嶋
今、鎌倉の新築はほとんどが3階建てですよ。

田中

3階建てで売るというのは、土地面積を小さくして、販売価格を抑えるということなんですよね。

開発分譲する立場からいうと売れる金額を前提に仕入れなければいけないので気持ちはわかりますけどね。


大西

ホームインスペクションも日本の地価がもう少し全体的に落ちつき、実際価値をもつのは上もの部分ですよ、という風潮になったとき、より本領を発揮します。

菅さんはいかがですか?


私は20数年前にこの業界に入ったのが法定点検を行う会社で、最初から既存建物を相手にしていたことになります。もともと専門が設備で、かつ既存建物を扱える設計というのはかなりニッチだったのでそれを生かす仕事をしてきました。

バブル時代には不動産系の仕事も結構やって不動産関係の知り合いも多いのですが、ずっと技術系と不動産・金融系の間には隔たりがすごくあり、行くべき情報が流れていないことを感じていたんです。

たとえばある物件に長期間にわたって投資していくのに、金融の方は取引価格だけで考えていて、その先10年間にどのくらいの設備投資がかかるのか考えてないとかね。

「インスペクション」というのは技術・設備の世界ではけっこうあるんですが、ホームインスペクター制度は技術的なところでしか動いていなかったものに「不動産取引を中心にして踏み込んだ」、というところがはじめてで面白いと思ったこと。

僕が求めていた部分、つまり技術と取引がちょうど重なりあったところで動いている人たちがいるというのを知ってうれしく、かかわっていきたいと思いました。


大西

なるほど。

菅さんはずいぶん以前からホームインスペクションに関心をお持ちだったようですが、ホームインスペクター試験を通してホームインスペクションのことをお知りになっていた方はいらっしゃいますか?


市川
はい!(挙手)

鹿嶋
はい!(挙手)

内山
はい!(挙手)

大西
試験の情報がメディアに出ていて「あ、こういうのもあるんだ」という感じだったんですかね。

市川
住宅瑕疵担保責任保険などのからみで、第三者検査やインスペクションという言葉はよく耳にしていました。が、ホームインスペクターの行う検査業務の位置づけは、瑕疵保険の検査とはまた違う目的と役割があるということまでは知らなかったですね。

大西
自分の仕事に直結していないと、なかなかわかりづらいかもしれないですよね。

 

座談会第二回へ続く